シートは倒して大丈夫?飲食やスマホは?高速バス・夜行バスで気を付けるべき乗車マナー

旅行や出張、帰省などで多くの人が利用する、高速バス・夜行バス。
特にバス旅では移動中いかにリラックスし、快適に過ごせるかで旅の印象はガラリと変わります。

 

そのためにも考えなければならないのが、高速バスの乗車マナー。同乗者とのトラブルを避けるためにも、最低限のマナーは押さえておきたいところですよね。

 

そこで、旅行研究家でバス旅事情にも詳しい鎌倉淳さんに、初心者でもこれさえ押さえておけばOKな、高速バス・夜行バスの乗車マナーを教えてもらいました!

 

高速バス・夜行バス乗車の際に押さえておきたい基本マナー

 

高速バスや夜行バスの乗車マナーを教えていただく上で、鎌倉さんが「大前提として頭に入れておいて欲しい」というのが「個人の感覚には違いがある」ということ。

 

「マナーには誰がどう考えても守らないといけないものと、人によって感覚が違うものがあります。例えば、スマホや音楽プレーヤーによる光漏れや音漏れは、誰にとっても明らかに迷惑なので、絶対に気を付けるべきマナーです。それに対して、リクライニングや飲食に関するマナーは、人によって感覚が違うもの。自分が考えているマナー、こうするべきだと思っていることについて、他人が必ず同じように考えているとは限らないので、まずはそれを頭に入れておきましょう。そうすると、必要以上に自分が不愉快になったり、同乗者とトラブルになったりすることを避けることができるはずです」(鎌倉さん、以下同)

 

これを踏まえた上で、まずは基本マナーとして荷物とリクライニング、おしゃべりで気を付けたい点をお聞きしました。

 


「荷物はなるべく車内持ち込まないのが基本です。大きな荷物は外側のトランクに預け、車内に持ち込むのは網棚にのせられるサイズか、膝上に置けるようなコンパクトなものにするように心がけて。ルールとして、持ち込み荷物のサイズや持ち込み不可なものがバス会社のHPに記載されていますので、乗車前にきちんとチェックしておくことも大事です。足元に荷物を置く方も多いのですが、それによって自分の足が隣の人の方にはみ出してしまうことも。また、自分の座席の下に置くと、後ろの人の足がつかえる場合もあります。足元に荷物を置くときは、そういったことへの配慮が必要です」

 

シートのリクライニングについては、高速バスや夜行バスのマナーでも特に議論になりやすい点とのこと。

 


「これについては実に様々な意見があり、正解がないというのが正直なところです。個人的には、後ろの人への配慮をしつつ、バスによって決まっているここまで倒せますよという角度まで倒すのは問題ないと思っています。特に夜行バスに関しては、できるだけ倒して寝る方が断然快適。でも、最初にお話したとおり、自分の感覚が後ろの人の感覚と同じとは限りませんから、お互いに声を掛け合うことが大事です。『倒していいですか?』の一言はもちろんですが、休憩時間には乗り降りしやすいように、いったんシートを起こすなどの気遣いができると、お互い気持ちよく過ごせます。またシート関連では、前のシートに膝が当たると、前の人は蹴られたと感じる場合もあるので、それにも注意しましょう」

 

そのようなやり取りが煩わしいという人は、よりプライベート空間がしっかり確保されており、リクライニングの影響が後ろの人に出ないようなシェルタイプのシートのバスを選ぶようにするのがおすすめとのことです。

 

「車内での会話については、夜行バスであれば消灯後はおしゃべりしないのが基本です。ひそひそ声でも車内では結構響きます。ただし、夜行バスでも消灯前の時間帯の場合や、昼間の高速バスの場合は、大声を出して騒がない限りそれほど気にする必要はないと思います」

 

特にニオイ、汁ものは要注意! 高速バス車内での飲食マナー

 

長時間の移動だと途中でお腹がすいてしまうこともあると思いますが、車内での飲食に関するマナーも気になるところです。

 

 

「特に車内での飲食について問題になりやすいのは、食べ物のニオイです。
これについても個人の感覚の差が大きく、自分は大丈夫でも他人は気になる……ということがあるので注意が必要です。また、バス会社のHPに飲食に関する注意事項や禁止事項が載っている場合も多いので、事前に確認しておきましょう。夜行バスの場合は、乗車前に食事を済ませてから乗るのがおすすめです。
もし車内で食べる場合には、ニオイの強いものは避け、おにぎりやサンドイッチなどにするといいでしょう」

 

昼間の高速バスだと、休憩でサービスエリアに立ち寄ること多いので、そこで名物を買って車内で食べたいということもありますよね。

 

「昼間便での飲食は常識の範囲内であれば問題ないと思います。
食べることは旅の醍醐味でもあるので、ニオイなどで周りに迷惑をかけない程度に楽しみたいところですね。
それでも避けたいのが、みそ汁やスープなどの汁もの。
こぼれると大変ですし、残しても捨てることができないので、なるべく車内には持ち込まないのが賢明です。
お茶や水などのドリンク類も同様の理由で、フタがしっかり閉まるペットボトルのものを選びましょう。
アルコール類については、バス会社で禁止されていない限り、多少であればいいと思いますが、気分がよくなって大声を出すのはNGですし、トイレが近くなってしまう問題もあるので、節度を持って楽しむようにしましょう」

 

スマホと音楽プレーヤー、トラブルにならない夜行バス車内での使い方

 

実はバスの中でトラブルになりやすく、一番気にするべきというのが「光と音」なんだそう。特に夜行バスでは細心の注意が必要です。

 

 
「スマホの光については、座席の間に仕切りのカーテンがついているかどうかなど、シート環境によって周りへの影響が大きく変わります。
仕切りのないシートタイプのバスでは、基本的には消灯後は使わないようにしましょう。
座席にフード(カノピー)がついているタイプのバスでも、隣に光が漏れてしまいますので同様です。
また、同じ光でいうと、朝方にうっかり窓のカーテンを開けてしまったりしがちですが、朝の陽ざしは強烈で、寝ている人を起こしてしまったりするので、それも気を付けたいですね」

 

周りの光が気になるという人は、アイマスクを使うのがおすすめとのこと。
鎌倉さん曰く「あると、ないのでは大違い!」とのことですので、ぜひお試しください。

 

「音に関しては、とにかく漏れないように気を付けるしか方法はありません。音漏れしにくいイヤフォンやヘッドフォンなどのアイテムを活用するのもひとつの手です。自分では気にならないような小さな音でも、人によっては気になる……ということがあるので、『これくらいなら大丈夫だろう』と自分の感覚だけで判断しないこと。気になる人もいるかも、という気持ちで配慮することが、要らぬトラブルを避ける最良の方法です」

 

高速バスに限らず公共交通機関では、スマホはマナーモードに設定する、通話はしないなどの基本的なマナーがあります。これについても、きちんと守りたいですね。

ここも気を付けたい!メイク、身だしなみの注意点

女性の場合、夜行バスで悩むのがメイクの問題。マナー的にはどうするのがいいのでしょうか。

 


 

「車内でメイクを落とす・することに関しては、私は、他の方がしていても気になりません。
しかし、これも人によって感覚が異なり、気にする方もいるようです。

 

特に、狭い4列の座席の場合は、自分の座席であってもあまりガチャガチャするのは周りの迷惑になるのでおすすめできません。また、香りの強い化粧品などを使うのも避けるようにしましょう。
一番周りに迷惑をかけるのは、メイクのために車内のトイレを占領すること!
特に朝はトイレを使いたい人が多いので、気を配ってほしい点です。

 

今は、化粧室が充実しているバスターミナルも多いので、乗車前、降車後に落ち着いてメイクを落としたりする方がおすすめです」

 

また、男女問わずバスに乗る際の身だしなみについても、気を付けるべき点があるようです。

 

「密閉された車内に多くの人が乗るわけですから、夏場にあまり汗だくの状態で乗らないとか、夜行バスであれば乗車前にシャワーを浴びておく、靴下を変えておくなどの配慮ができるといいですね」

 

気を付けるべき点がいろいろとありましたが、どれも不愉快な思いをしないために、お互い配慮し合えれば解決できる点ばかり。少しの気遣いで、移動時間がグッと快適になりますので、ちょっとだけ意識してみるといいかもしれませんね。

 

 

【取材協力】
鎌倉淳さん
旅行研究家。旅行総合研究所タビリス代表。
NHK記者を経て、世界の観光エリアや航空、鉄道を取材する活動を続けている。これまでに国内全都道府県と世界5大陸50カ国以上を訪問。著書に『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)、『新しい海外一人旅行術』(KDP)などがある。
http://tabiris.com/

取材・文:石橋夏江

感想を聞かせてください!

  • おもしろかった!
  • そこそこ
  • あんまり...

※本記事は、2018年09月10日に公開しました。最新の情報と異なる場合があります。ご了承ください。


PAGE TOP