夜行バスで横になるには?シートタイプの選び方や快適に過ごすポイントを紹介

夜行バスで横になるには?シートタイプの選び方や快適に過ごすポイントを紹介

快適に横になれる夜行バスを選ぶには、シートタイプにこだわることが大切です。本記事では、夜行バスで心地良く過ごすために意識するべきシートタイプの選び方を紹介します。
快適性を上げるアイテムや準備のポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。

夜行バスで横になれるのか?

近年は、横になって体を休められる夜行バスが増えています。しかし、残念ながら日本にフルフラットシートの夜行バスは存在しません。ここでは夜行バスとフルフラットシートの関係について紹介します。

バスのフルフラットシートは日本の法律でNG

夜行バスに限らず、バスのフルフラットシートは日本の法律で禁止されています。道路運送車両法の22条で定められている記載は、以下の通りです。

第22条 座席は、安全に着席できるものとして、着席するに必要な空間および当該座席の向 きに関し告示で定める基準に適合するように設けられていなければならない。

日本では、救急車を始めとした特殊車両を除いてベッドの設置は認められておらず、バス内では安全確保のためにシートベルトをつけて座席に着席する必要があります。

近年は高級感のある夜行バスが増えているため、ベッドのようなフルフラットシートが備え付けられている印象を持つ方もいるかもしれません。しかし、実際はフルフラットではなく、フラットに近い角度まで倒れるシートを設置して快適性を向上させています。

海外では実際にフルフラットシートも存在する

法律に禁止事項が設けられていない海外では、フルフラットタイプのシートも存在しています。例えば、アメリカの長距離移動バス(ロサンゼルス~サンフランシスコ間、644kmを走行するバスなど)では、キャビンタイプの座席を提供しているケースも少なくありません。
完全に横になれるのに加え、布団もあるので、カプセルホテルのような感覚で乗車できます。

フルフラットじゃなくても横になれる

日本では、法律と安全の問題をクリアしない限り、フルフラットの座席を実現するのは難しいでしょう。ただし、フルフラットでなくとも、横になって快適に過ごせる夜行バスが続々と登場しています

例えば、高級感のある夜行バスでは、通常より深くリクライニングできるシートや、身体にフィットする低反発クッションなど、心地良く体を休めるための工夫が随所に施されています。

横になれるために大事な要素

夜行バスで体を休めるためには、快適性の高いシートを備えた夜行バスを選びましょう。ここからは、バスで横になるためにチェックしておきたいポイントを紹介します。

シートの角度

快適に横になるためには、シートの角度にこだわる必要があります。通常のシートの場合、リクライニングできる角度は120度ほどが一般的です。

一方で、高級クラスのシートは、140度以上のリクライニングが可能な場合がほとんどといわれています。中には155度まで倒せるシートもあります。140度以上の角度に倒せれば、フラットに近い状態になり、心地良く体を横たえられます。

空間の広さ

空間の広さは、主にシート幅とシート間隔によって決まります。シート幅は、狭いものだと42cmほどですが、高級夜行バスなら60〜70cmほどの幅広タイプであることも珍しくありません。幅の広いシートなら横になりやすく、寝返りも打ちやすいので、バス内でしっかり睡眠をとりたいときによいでしょう。

また、シートの間隔は狭くて75cm、広くて158cmと倍に近い差があります。間隔が広ければ足元にゆとりができ、体を伸ばしやすいのが嬉しいポイントです。また、リクライニングを倒す際も後ろの座席に気を使わずに済みます。

レッグレストとフットレスト

レッグレストとは、着席時に脚を乗せるものであり、ふくらはぎや腰の負担を軽減するのに役立ちます。また、フットレストは足が浮くのを防ぎ、長時間の乗車による疲労を抑えられるのが特徴です

レッグレストとフットレストが両方とも揃っていれば、シートと一体化してフラット感が増し、ベッド感覚で体を横にできます。そのため、シートと合わせてレッグレストやフットレストの存在にも注目しておきましょう。

WILLER EXPRESSで紹介している横になりやすいシートタイプ

シート名 シート
タイプ
最大
角度
シート幅 シート
間隔
レッグ
レスト
フット
レスト
リボーン 3列 約155度 座面:59cm
シェル内:60.6cm
158cm
ラクシア 3列独立 約145度 座面:51.5cm
肘あり:57cm
116cm
コモド 3列独立 約140度 座面:55cm
肘あり:56cm
93cm
エコノミー 4列 約120度 約42cm 75cm
ドーム 3列 約130度 座面:55cm
シェル内:57.8cm
108cm

※エコノミータイプは最大角度が約120度であり、他のシートと比較すると横になりにくいのでご注意ください。

WILLER EXPRESSには、快適に過ごすための工夫が詰まったシートが揃っています。ここでは各シートについて詳しく紹介するので、お気に入りの夜行バスを見つけるための参考にしてみてください。

シェル型シートの「ReBorn」


全席シェル型シートの「ReBorn」は、座席数を18席に絞ることで空間に余裕を生み、ゆったりと過ごせるようにしているのが特徴です。
シートは最大155度のリクライニングが可能で、ほぼフラットに近い寝心地を実現しています。レッグレストやフットレストも付いているため、体の疲れを軽減してくれるでしょう。
さらに、シート幅はシェル内で60.6cmと広々とした仕様を採用。シート間隔は158cmもあり、前後を気にせずくつろげます。

木をふんだんに使った温もりのある「Luxia」

「Luxia」では、フローリングを思わせる木目調のシートを床面に配置し、上質な雰囲気を演出。イエローカラーのシートと相まって、リビングソファのような居心地の良さを感じられます。

シートには、最大傾斜角度145度の電動ゆりかごリクライニングとレッグレストを備えているため、ゆっくりと休めるでしょう。また、シート幅は57cm、シート間隔は116cmと、余裕のある設計も大きな魅力です。

3列シートでカーテンのついた「COMODO」

「COMODO」は、隣席との距離を保てる3列独立シートが特徴です。カーテンで仕切れば、個室感のある空間で隣を気にすることなくのんびりできます。

シートのリクライニング角度は約140度で、首や肩をしっかりサポートする可動式の首あて付き。足やふくらはぎの疲れを軽減してくれるレッグレストとフットレストも備えています。シート幅は肘ありで56cm、シート間隔は93cmあり、余裕を持って過ごせます。

ヘッドレスト・レッグレスト・フットレストが付いている「DOME」


シェル型シートの「DOME」は、後ろを気にせずリクライニングできるところが魅力です。可動式のヘッドレストとレッグレスト、フットレストを備え、心地よいリラックスタイムを提供してくれます。

さらに、WILLER EXPRESSが独自開発したカノピー(フード)も付き、「周りの人に寝顔を見られたくない」という夜行バス特有の悩みも解消。カノピーにはスマホホルダーが付いているため、夜間も気軽にスマホを使えます。

各シートの詳細はこちら

フラットさ以外に快適さにつながる要素


夜行バスで快適に過ごすためには、シートのフラット感以外にも注目しておきたいポイントがあります。ここからは、心地良く過ごすために重視したい要素を紹介します。

仕切りによる個室感

プライベートな時間を重視するなら、個室感のある座席を選ぶのがおすすめです。近年は、仕切り付きの独立型座席を備えた夜行バスも登場しています。

扉で囲まれているもの、カーテンやシートで覆われているものなど、仕切りの種類はさまざまです。仕切りのあるタイプなら、周囲の気配や音を気にせず快適に過ごせるでしょう。

アイテムの準備

快適性を上げるためのグッズを持参するのも、おすすめの方法です。例えば、アイマスクや耳栓を活用すれば、周囲の雑音や光に煩わされずに眠れるでしょう。
また、ブランケットなどの防寒グッズも準備しておくと安心です。寒さが厳しい時期はもちろんのこと、夏場もクーラーの効きすぎで体が冷えた場合に役立ちます。

なお、一部の夜行バスではアメニティを提供しているところもあるため、事前に確認してみてください。

眠りやすくするための準備

バスの中で快適に眠るには、眠りやすくするための準備も欠かせません。例えば、あえて前日の睡眠時間を短縮しておけば、夜行バスに乗った際に眠気を感じやすくなります。もしくは、日中運動をして適度な疲労感を残しておくのもよいでしょう。

また、お酒を飲める方は、少量のお酒を飲むとリラックスし、眠りにつきやすくなります。他には、ヒーリング音楽を聴いて気持ちを沈めるのも1つの方法です。自分に合う方法を取り入れてみてください。

横になれる夜行バスに関するQ&A

完全にフラットなタイプのシートはあるの?

前述の通り、日本の法律ではフルフラットタイプのシートを禁じています。道路運送車両法の22条の記載に則り、安全に着席できるシートベルト付きの座席を備えていなければなりません。ただし、フルフラットではないものの、フラットに近い角度まで倒れるシートはあります。

バスの中でよく寝る方法はありますか?

隣席との距離を保てる3列独立シートを利用するなど、少しでも広くて快適に過ごせるシートを選んでみてください。アイマスクや耳栓などのグッズを使ったり、乗車前にストレッチをして体調を整えたりといった工夫も重要です。また、締め付けの強い服装は血行が滞りむくみやすくなるため、ゆるめの服装を選ぶとよいでしょう。

夜行バスはシートによって快適さが異なる

日本では、法律によってフルフラットシートが禁じられていますが、近年の夜行バスには快適性を追求したシートが続々と登場しています。フルフラットに近い角度まで倒せるシートや、個室感覚で過ごせる仕切り付きのシートなど、バスによって快適に過ごすための工夫はさまざま。自分に合うタイプのシートを選ぶようにしましょう。

WILLER EXPRESSでは、夜行バス・長距離バスで快適に過ごしていただくためのシートをご用意しております。後ろを気にせずリクライニングできるシェル型シートや、隣席との間をカーテンで仕切れるシートなど、お客様のご要望に合わせたシートが揃っていますので、ぜひお好みのバスで快適な時間をお過ごしください。

WILLER EXPRESSのバスの種類一覧はこちら

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この記事のライター

サッチ
総合旅行業務取扱管理者を含む旅のスペシャリストたちによる編集チームで執筆しています。 高速バス・夜行バスのご利用に関連した情報を盛りだくさんでお届けします。高速バスのことを知ってもらうための基本情報をはじめとして、全国各地... もっと見る


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