【専門家に聞く!】目的地までスッキリした足でいたい!高速バスでのむくみ解消法
※本記事は、2020年04月22日に更新しました。最新の情報とは異なる可能性があります。
高速バスなど長時間の乗り物移動で多いのが、「足がむくむ!」というお悩み。
目的地に着いていざ出発!と思ったら、「ふくらはぎが重くて、歩くのがだるい……」「靴がきつくて足が入らない!」なんて人も多いのでは?
そこで、理想的な身体作りの専門家、スポーツトレーナーの坂詰真二先生に、むくみの要因からむくみに効くストレッチまで伺いました。高速バス乗車中にできるものもあるので、ぜひやってみてください。
目次
「むくみ」のメカニズムとは?
長時間座りっぱなしでいると、どうして足がパンパンになるのか、まずは「むくみ」のメカニズムを坂詰先生に解説してもらいました。
「全身を流れる血液は、まず心臓から送り出されて、動脈を通して身体に必要な酸素や水分、栄養素を細胞へと運びます。その一方で、不要になった水分や老廃物、二酸化炭素を回収し、静脈を通してまた心臓へと戻します。
身体を動かしていない状態では動脈の働きはほとんど変わりませんが、静脈からの血液の戻りは悪くなり、水分の回収が滞ります。そして、回収されなかった水分は細胞と細胞の間にどんどんたまっていく――これがむくみの原因です。
動いているときには筋肉が動き、筋肉の収縮がポンプ作用となって血液の循環を促します。狭いスペースで座ったままの状態で長くいると、この筋肉のポンプ作用が働かないので、足がむくんでしまうというわけです」
筋肉が血液の循環を促すポンプ作用をするといっても、「筋肉を動かしているか」どうかが重要で、「筋肉のあるなしがむくみの要因ではない」とのことです。
「むくみは心臓より低く、地面に近い部位で起こります。
これは、水分が重力で下方に引っ張られるためです。普通に布団で寝ているときなど、心臓と身体の部位が同じ高さでは血流は滞らずに循環するので、むくみは起こりません。ちなみに、うつぶせに寝て顔がむくむのは、顔が心臓よりも低く、地面に近い場所にあるためです」
【足がむくむ仕組み】
・長時間じっとしていると、不要になった水分が静脈から心臓へ回収されずむくんでしまう
・「筋肉のあるなし」ではなく、「筋肉を動かしていない」ことがむくみの要因
・特に、足は心臓より低い部位なので、水分が重力で地面に引っ張られてむくみやすい
バスに乗ったら靴は脱ごう!大切なのは足の自由度
では、長時間のバス移動でむくみを防ぐためには、どんな服装が適しているのでしょうか?
「まず、血流を阻害しないためには体をしめつけず、リラックスできる服装がいいでしょう。むくみ防止の着圧タイプの靴下もありますが、しめつけることで血流がよくなるかどうかはわかりませんので、私はあまりおすすめしません。
それよりも大事なのは靴。足の自由度があるかどうかが一番重要です。男性より女性のほうが足がむくみやすいのは、ヒールの高い靴で足首が固定されているためです。ヒールのある靴を履いて乗車するのなら、車内で靴を脱ぐ、スリッパに履き替えるなどして、足首を自由にしてあげましょう。
後で、むくみを解消する足のストレッチをご紹介しますが、足を動かしやすいように、服装はスカートよりもゆったりめのパンツのほうがいいですね」
また、車内はなかなか体温調節が難しいもの。特に、夏は外が暑いためについついノースリーブに短パン、素足にサンダルなど薄着で乗車してしまいがち。
「体を温める必要はありませんが、血流を阻害しないために保温することは大切です。身体を冷やさないよう、涼しいと感じたら上着やブランケットなどを羽織って保温してください」
WILLERのバスは、ブランケットが常備されているものもあるので、乗車前にチェックしてみてください。ブランケットがついていないシートの場合には、大きめのスカーフやタオルを用意しておくと安心です。
「むくむから水分は控える」はNG!
余分な水分が体にたまってむくみが起こるのであれば、水分はなるべく控えようと思う人は多いと思います。
しかし、「水分を控えるほうがリスクは高い」と坂詰先生は指摘しています。
「水を飲むとむくむからといって、乗車前から水分を控える方がいます。でも、これはまったくの逆効果。
むくみは血流が悪くなり、静脈で回収されなかった水分が細胞と細胞の間にたまった状態です。
水分を取らないと、血液の循環がより悪くなり、ますます水分は回収されにくくなってしまいます。
通常、体内の余分な水分は自然に身体から排出されます。心臓や腎臓などに疾患がある場合は別ですが、健康な人であれば水分の取りすぎの心配はないでしょう。
常識の範囲以内、6時間くらいの乗車中に1リットル程度であれば、むくみを助長するとは考えられません」
水分をたくさん取っても、汗や尿で体外に排出するように身体が調整しているんですね。
「特に、空気が乾燥しがちな車内では、こまめな水分補給が大切です。6時間の乗車であれば500~600ミリリットルくらいの水分が必要です。乗車前に何か飲んでおくのも有効ですし、また食べ物からも水分を摂取できるので、食事をとることでも水分を補えます」
ただし、利尿作用があるカフェインを含むコーヒーや緑茶、紅茶などはおすすめしないとのこと。また、ビールなどのアルコール飲料は、発汗作用があるので水分補給にはならないそうです。お酒好きには残念ですが、車内での飲酒は控えたほうがよさそうですね。
乗車中のストレッチでむくみを解消!
長時間座った状態では、血流が滞って水分が排出されずに足がむくんでしまうことがよくわかりました。
そこで、有効なのが「足のストレッチ」です。車内で座ったままできるお手軽ストレッチを2つ教えてもらいました。
<むくみ解消ストレッチ1>
1. リクライニングを起こして座り、裏全体がついた状態で片足を少し先に置く。
この際、ひざは軽く曲げておく。
2. かかとを軸にしてつま先を上げる。
ゆっくりとなるべく大きく上げるのがポイント。
片足ずつ交互に10回ほど行う。3セットが目安ですが、回数が多いほど効果的。
<むくみ解消ストレッチ2>
1. リクライニングを起こして座り、ひざの下につま先がくるくらいの位置に両足を引く。
2. 片足ずつ交互にかかとを上げて下ろす。
その場で歩くように、ゆっくりとなるべく大きくかかとを上げるのがポイント。
片足ずつ交互に10回ほど行う。3セットが目安ですが、回数が多いほど効果的。
そのほか、車内でできることとして、マッサージも有効だとのことなので、むくみを感じたらふくらはぎを心地良い強さでさする、もむなどして、血流を促してあげましょう。
休憩時間には「外で歩く」のが一番!
休憩時間、車外に出たときにできる「むくみ対策」として、「なんといっても歩くことが一番効果的!」と先生はおすすめします。
「歩行の際には足首を動かしますね。1歩進むのに足首を「曲げて伸ばす」動作が2回必要になります。1秒で1歩歩くとして、1分で60歩、計120回も左右の足首を動かすことになり、これは自分でマッサージをするより断然楽にできますし、効率的です。特に用事がなくても、休憩時間はなるべくバスを降り、気分転換を兼ねて少しでも歩くように心がけてください」
特別なことをしなくても、トイレに行ったりサービスエリア内を見て回ったりするだけで、十分なむくみ対策になるんですね。これなら簡単です!
だるさだけでなく、足が太く見えるむくみは女性にとって憂鬱の種。乗車中や休憩中にしっかりむくみ対策をして、バスから降りた後もすっきりとした足でいたいですね!
お話を聞いたのは…
坂詰真二先生
スポーツトレーナー
「スポーツ&サイエンス」代表。NACA認定ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト。各種アスリートへの指導、スポーツ系専門学校講師を務めながら、雑誌『Tarzan』(マガジンハウス)など、様々なメディアで運動指導、監修を行う。『世界一すごいストレッチ』(日本文芸社)ほか、著書・監修本多数。
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