【WILLER乗車体験記】3列シート「リボーン」で大阪へ行ってみた!

【WILLER乗車体験記】3列シート「リボーン」で大阪へ行ってみた!

WILLERが運行する高速バスに乗車して、シートの乗り心地や設備を紹介する「WILLER乗車体験記」。今回はライターSが「眠り」のための最適な環境が備わった3列シート「ReBorn(リボーン)」に乗車して、東京大阪間の乗車感やリボーンの最大の特徴である「眠り心地」を中心にレポートします!

快適な睡眠環境を追求した「リボーン」

高速バスの良さのひとつは、何と言ってもリーズナブルであること。また、乗車する便によっては新幹線の終電よりも遅い時間まで現地に滞在できるといったメリットもあります。でも、「長時間の移動で疲れてしまう」「眠れない」といったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?そんなイメージを覆すためにWILLERが3年の月日をかけて開発したのが3列シートの「リボーン」です。

「リボーン」の最大の特徴は「眠るための環境」に特化していること。リクライニングの最大傾斜角度は156度と従来のWILLER EXPRESSのシートに比べても10度以上の角度差があり、WILLERのシートラインナップの中でもダントツの傾斜角度を誇ります。

また、独自のシェル構造シートによって独立型シートと同等のプライベート空間を実現。さらには眠りやすい明るさのための調光、車内の騒音を軽減する仕組みも取り入れているということで、あらゆる側面から徹底的に「眠るための環境」を追求しているシートなのです。

【主な設備一覧】
・ブランケット・コンセント・ヘッドレスト・レッグレスト・フットレスト・クッションシート・電動リクライニングコントローラー・肘掛・テーブル・読書灯・アイマスク・ドリンクホルダー・荷物入れ(天井と足元)・網ポケット・靴置き場

リボーンの設備をもっと見る

23:00 大崎駅西口バスターミナル到着

今回乗車するのは東京大崎23:30発、大阪梅田8:45着のW134便。走行距離約548km、9時間15分の旅になります。東京ではバスタ新宿からも乗車できるのですが、少しでも早く「リボーン」を体験するために始発ターミナルである大崎から乗車することにしました。

乗り場となるバスターミナルはJR大崎駅の新西口からペデストリアンデッキを歩いて1分程度の場所にあります。バスタ新宿に比べると小規模なターミナルで、人影もまばらな印象ですが、混雑に巻き込まれたくない方にはこちらから乗車するのがオススメです。すぐ近くにはフリーWi-Fiも利用できる大型のイートインを備えたコンビニもあるので、出発時間までこちらで待機してもよいでしょう。

大崎発のバスをチェック


バスターミナルへはJR大崎駅の新西口からが便利

大崎駅西口バスターミナル。明るいのですぐわかる

電光掲示板で自分の乗る便を確認

23:30 大崎を出発!

大崎駅西口バスターミナルには0〜3までの4つの乗り場があり、出発15分前ぐらいになるとスタッフの方が乗り場を案内してくれました。0番乗り場で待っていると、シルバーのバスが到着。WILLERと言えばピンク色のバスを浮かべる人も多いと思いますが、「リボーン」の車体はシックなシルバーです。ちょっと特別感がありますよね。期待に胸が膨らみます!


0番乗り場はほかの乗り場から少しだけ離れている

高級感あふれるシルバーのボディが特徴的

運転手さんに自分の名前を伝えてバスに乗り込むと、そこには近未来的な風景が……。これまでのバスのイメージを覆す卵のようなシェル構造のシートが並んでいました。一般的な観光バスの座席が30〜40席程度であるのに対し、「リボーン」の座席数は半分以下の18席。その分、一つひとつの座席スペースが広くなっているという印象です。

座席は1列席と2列席に分かれていて、その間に通路があります。私は予約していた2列席の窓側に座りました。正確には「座る」というよりもシートの中にスポッと包まれるような感じもあり、マッサージチェアに座ったときのような感触がありました。

ちなみに大崎での乗車人数は4人。全員が男性でした。WILLERの高速バスと言えば若い女性ユーザーが多いという印象がありましたが、「リボーン」は男性にも人気のようです。

リボーンの設備をチェック


近未来的なイメージすら感じさせる「リボーン」の車内

バスタ新宿に着けば満席になることが予想されるので、その前に座席周りをチェックしてみました。着席して感じるのはプライベート空間の快適さ。厚みのあるクッションは気持ちがいいですし、シート全体がシェルに包まれているので、隣の席も、後ろの席もまったく気になりません!また、フットレストが絶妙な位置にあり、足をめいっぱい伸ばせます。私は身長172cmですが、185cmぐらいまでの人ならストレスを感じることなく足を伸ばせるのではないでしょうか。


シートを覆うシェル。2列席でも気にならない

シートの両脇には木目調の肘掛がついている

後方からの座席の様子

フットレストは前方座席の下。すぐ下には靴を置ける

ドリンクホルダー

網ポケットとアイマスク

コンセントは左の肘掛の下に

明るさ十分の読書灯

23:45 バスタ新宿へ移動中

「リボーン」の特徴である“最大傾斜角度156度”というリクライニングを試してみることにしました。操作は座席についている電動コントローラーで行います。このコントローラーで背もたれとレッグレストの角度を調節できますが、レッグレストを上昇させることで、レッグレストとフットレストが滑らかに接続。背もたれを倒すことで座面もほぼ一直線上になり、限りなくフラットな状態に変形します。これはすごい!しかもシートがシェルで区切られているため、どれだけ背もたれを倒しても後ろの座席にはまったく影響がありません。

後ろの人を気にせずに座席を倒せることがこんなに気持ちいいなんて……。「このまま寝てしまいたい」という誘惑に襲われてしまいましたが、まだまだお伝えしなければならないことがあるので、気力を振り絞ってレッグレストと背もたれを元の位置に戻しました。


座席正面にリクライニングの説明がある

レッグレストと背もたれを調整するリモコン

レッグレストの角度を上げるとフットレストとつながる

左が通常の背もたれ、右が背もたれを最大まで倒した状態

0:10 満席でバスタ新宿を出発!

0:00少し前にバスタ新宿に到着。三連休の最終日ということもあって、年配の男性から若い女性や男性まで様々な人が続々と乗り込み、車内はあっという間に満席になりました。もともと高速バスのユーザーは若者が中心というイメージがありますが、「リボーン」はビジネスマンを中心とした幅広い客層をターゲットとして作られているので、平日は出張などで利用される方が多いのかもしれません。
新宿発のバスをチェック

「リボーン」の休憩のアナウンスは1回だけ!

東京発大阪行きの「リボーン」はバスタ新宿を出発すると4回の休憩を取ります。時間と場所は運転手さんが事前にアナウンスしてくれます。通常、SAやPAに到着するたびにアナウンスが入る高速バスもありますが、眠るための環境に特化している「リボーン」ではアナウンスがあるのは最初の1回のみ。アナウンスで乗客の眠りを妨げないように配慮されています。トイレやお土産購入のためにSA・PAに立ち寄りたい場合は、振動式のアラームなどをセットしておくと良いでしょう。ちなみに私が乗車した便の休憩スケジュールは下記の通りでした。大阪梅田に8:45分到着予定なので、1時間半〜2時間おきに休憩があるイメージです。


【1:00 海老名SA】⇒【2:30 清水PA】⇒【4:30 岡崎SA】
⇒【6:30 草津PA】⇒【8:45 大阪梅田到着】


「リボーン」の包み込まれるようなリクライニングシートで今すぐ眠りたい……という誘惑に駆られたのですが、私は締め切りが迫った仕事を抱えていたので、少しだけPCで作業をすることにしました。ほかの高速バスや新幹線内で仕事をするときはノートPCを膝の上に乗せることが多いのですが、「リボーン」には立派なデスクがついているので、今回はこちらを利用。新幹線のテーブルよりもかなり頑丈そうですし、13インチのノートPCがしっかり置ける広さがあるのでとても快適でした。


デスクを使うには、前にある説明ボードを手前に倒

13インチのノートPCがピッタリ収まる

1:00 海老名SAに到着

バスタ新宿を出発後、しばらくは車内が明るかったのですが、0:30には消灯となりました。ほかの夜行バスでは手元も見えないほどの暗さになることもありますが、WILLERは「何も見えないのは不安」というユーザーの声に応えるかたちで、人間が自然に眠りにつける明るさを研究し、「リボーン」に導入しているそうです。確かに車内は真っ暗というわけではなく、眠気を誘われるほどよい明るさが残っていました。少しの明るさでも気になるという方は備え付けのアイマスクを使うといいかもしれません。


消灯後の車内。真っ暗にはならない

1:00少し前に1回目の休憩地点である海老名SAに到着しました。海老名SAの名物といえば「ぽるとがる」のメロンパンや「吉匠」の鯵の唐揚げですが、さすがに真夜中ということもあって、お店はほぼ閉店していました。もちろん、一部のお土産屋さんやフード店は開いていたのでお腹を満たすことはできます。ちなみに1回の休憩時間は20分程度です。


AM1:00の海老名SA。屋台系の店は閉まっていた

屋内も照明は落とされているが、営業している店舗もある

バスがたくさん停まっているので、乗り間違えに注意

出発時間は、出入り口の横に表示されている

2:00 乗車から2時間半

海老名SAを出発後、仕事もひと段落したので、眠りにつくためにフットレストを上昇させ、背もたれを倒してシートをフラットにしました。私にとってはこのくらいの明るさがちょうど寝やすいと感じたのでアイマスクはしません。

また、運転手さんのアナウンスによると車内の温度は25℃に保たれているとのことでした。私が乗車した日は関東でも35℃を超える記録的な猛暑日であり、夜でも外気は30℃を超えていたと思うのですが、バスの中は本当に快適です。そんなことを考えながら「リボーン」のシートに身を委ねていると、あっという間に眠りに落ちてしまいました。


バスで足を伸ばせることがこんなに楽だとは…

背もたれも最大まで傾斜させ、寝る準備を整える

6:30 乗車から7時間・草津PAで起床

海老名SAを出発後、私が目覚めたのはバスが草津PAに到着する寸前でした。途中、清水PAと岡崎SAでも休憩のための停車があったはずなのですが、まったく気がつかずに4時間半も眠っていたのです。また、走行音などで目を覚ますこともありませんでした。「リボーン」は、これまでのWILLERのバスに比べて10%ほど車内の騒音を軽減する設計がなされているので、ほかの高速バスと比べても車内はとても静かです。


草津PA

朝日に照らされた「リボーン」バス

草津PAなので、滋賀のお土産がメイン

名古屋のお土産も販売されている

8:45 乗車から約9時間・到着!

草津PAを出発後、約2時間でWILLERバスターミナル大阪梅田に到着しました。結局、草津からも目覚めることなく寝続けてしまったので、全行程約9時間のうち6時間半は寝ていたことになります。私は車内で仕事をしていた時間がありましたが、その気になれば9時間まるまる寝続けることも可能な環境だと思いました。体はまったく疲れていません。ほぼフラットな「リボーン」のシートのおかげでしょうか?足や腰、肩などに痛みを感じることもありませんでした。逆にぐっすりと睡眠を取れたことで、体も頭もスッキリ。「移動中に疲れを取りたい」と考えている方は、ぜひ一度「リボーン」を試してみてはいかがでしょうか。


WILLERバスターミナル大阪梅田の待合スペース。大阪駅や梅田駅へは徒歩10分程度という便利な場所にある

3列シート「リボーン」のまとめ

今回乗車した「リボーン」のシートでは、ほかの高速バスはもちろん、新幹線や飛行機といった移動手段でも体験したことのない、快適な睡眠を取ることができました。3列シートの高速バスの中でも快適性は突出していますし、「移動=睡眠」という考えで利用するなら、新幹線や飛行機よりも適した移動手段であると感じました。

<3列シート「リボーン」のポイント>

●最大傾斜角度156度のリクライニングで得られる快適な寝心地。
●レッグレストとフットレスト、座面、背もたれがほぼ一直線上になる優れたフラット感。
●各席が独立したシェル型シート。周囲の乗客がまったく気にならず、後方を気にすることなく背もたれを倒せる。
●寝やすい調光に加え、車内の騒音も同社比で約10%削減。

<こんな人にオススメ!>

●移動中にしっかりと睡眠を取りたい人
●眠れるだけでなく、寝心地の質にもこだわりたい人
●移動中のプライベート空間を大事にしたい人
3列シート「リボーン」の詳細はこちら

乗車体験
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この記事のライター

サッチ
総合旅行業務取扱管理者を含む旅のスペシャリストたちによる編集チームで執筆しています。 高速バス・夜行バスのご利用に関連した情報を盛りだくさんでお届けします。高速バスのことを知ってもらうための基本情報をはじめとして、全国各地... もっと見る


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