贅沢な観光列車旅へ! 天橋立と西舞鶴を結ぶ「丹後くろまつ号」サンセットコースを体験

贅沢な観光列車旅へ! 天橋立と西舞鶴を結ぶ「丹後くろまつ号」サンセットコースを体験

特別な内装の車両で、景色を見ながら食事を楽しめるという観光列車、一度は乗ってみたいと思いませんか? そんな夢のような観光列車が京都府北部、天橋立〜西舞鶴間などを1両編成で走る「丹後くろまつ号」です。午前のスイーツコース、豪華な本格和食ランチコース、アフタヌーンティーコース、お酒と楽しむサンセットコースが選べ、内容は半年毎に変更。


他にも丹後鉄道には、くろまつ号よりももっと気軽に乗れる上の写真のあかまつ号や、霧がよく出て幻想的な風景が楽しめる主に福知山〜天橋立間を結ぶあおまつ号、大阪や京都からも出ている「丹後の海」車両などがあります。今回私たちは予約制くろまつ号の、サンセットコースに乗ってきました♪

天然木使用のシックで上品な車両でいざ大人の列車旅へ

くろまつ号出発駅の天橋立駅までは、京都駅から電車でもバスでも約2時間、西舞鶴までなら直通バスに乗り約1時間半でアクセス可能! 高速道路がつながったため、意外な近さにびっくりしました。

天橋立駅に降り立つとレトロな駅舎がお出迎え。

これがくろまつ号。風格があって非日常感がもうここから漂っています。

アテンダントさんが満面の笑顔で出迎えてくれました。

車内に乗り込むと。

わぁ〜! シックで上品な大人の空間が広がっています!つり革がないので、テーブルに丸い取っ手を完備。内装はすべて天然木使用のため、品が良く木の温かみも感じられます。

窓には御簾のような目隠しが降ろされていて、ちょっと高貴な人になった気分。

ドリンクはワイン飲み放題orオリジナルカクテルを選択可能!


列車が出発すると、待ってましたのカンパ〜イ!サンセットコースでは、ドリンクを丹後くろまつ号限定オリジナルカクテル1杯か、ワイン飲み放題を選択できます。


オリジナルカクテルはドライジンに柑橘系を合わせたものと聞いていたので「酸っぱめ?」と思っていたら、コークが入っていて程よく甘さもあり、お酒が強くない人でも飲みやすいお味。

ワインは赤・白どちらかを選べて、白は爽やかで香り高くしっかりとしたフルーツ感があり、さすがのナイアガラ。赤は渋み少なめで、コクがありお料理によく合うものです。

料理は自家製ローストビーフからドルチェまでボリューム満点!

お料理とメニューはこんな感じ♪

旬の野菜を使った「季節のピクルス」は甘酸っぱさも香りも絶妙。個人的にピクルスが好きでいろいろな所で食べるのですが、トップクラスに美味しい!! じっくりコトコト煮込んだという「6種野菜のカポナータ」もお野菜たっぷりで嬉しかったです。
オリーブって海外産のものだとたまに「塩っぱすぎ」ってものもありますが、このコースで提供された希少な「小豆島産グリーンオリーブの塩漬け」は、まろやかで他のお料理とも相性バッチリ。「鰆のアヒージョ」もワインが進む本格的な味わいでした。
特に嬉しかったのは低温調理された「マスタードポーク」にスモーキーな「鶏ムネ肉のハム」、真空調理でジューシーに仕上げた「自家製ローストビーフ」と肉料理が鶏肉、豚肉、牛肉と3種が味わえたこと! お肉類はとても上品で深みがあり、「いいもの食べてる〜」って感じでした。お酒が進むわ〜!
また、お肉の上にあしらわれていたディル(細い葉)と、チーズ、それらをクラッカーに乗せて食べるとたまらない美味しさ。
電車で食べられるイメージを越えた本物のグルメ列車だと感じました!


この丹後くろまつ号のコース、ご夫婦やカップルの記念日プレゼントにもいいですね。もちろん4人がけテーブルもあるのでお友達同士にも。

丹後の美しい車窓風景のほか、車両後方の特等席も見逃せない

そして、気になる景色は……

海———!! 列車がすぐ側を走っています♪途中、奈具海岸で5分間停車しました。

大パノラマで広がるオーシャンビューのほか、のどかな田園風景も魅力的です。

ここで今回公式サイトにも載っていない、特別情報を仕入れましたのでご紹介!
カーテンに隠れた車両の後方には、実は車掌さんになった気分で景色を眺められる「こども席」という特等席があります!

ランチコースのときは食器が多くそこに置かれるので利用するのが難しいのですが、他コースのときは混雑し過ぎていなければ、アテンダントさんに声をかけたら座らせてくれるそうです! 記念撮影に絶好のスポットですね。
また車内では限定のオリジナルグッズも販売。お土産に購入すればいい記念になりそう。各種観光パンフレット置き場や、きれいな化粧室もありました。

途中、列車内で楽しめるこだわりの丹鉄珈琲を販売する宮津駅の「114km Café」の店員さんが私達に向かって手を降ってくださいました。ほっこりしますねえ。

さらに丹後由良駅では列車が長く停車します。下車して列車と一緒に記念撮影をすることもできますよ。

他のコースや車両では、駅で名産品のお買い物ができたり、足湯に行けたり、それぞれに趣向が凝らされています。

デザート登場&ジブリ映画のワンシーンのようなトンネル、海上走行に感動!

この頃、車内ではデザートが登場♪ 食事とお酒のほか、甘いものもいただけるなんてやっぱり嬉しい〜。


お皿もよく見ると素敵。列車に乗りながらこだわりの器で料理が食べられるっていうだけで特別な感じがします。さて、列車は終盤のハイライトへ。丹後由良駅を出てすぐ、一番の見所「由良川橋梁」を徐行で渡ってくれます。この心遣いが憎い〜!

海面から6メートルの単線なので、まるで海の上を渡っているよう!
この珍しさ、周りの海の広がりも合わせて迫力満点! ずっと心に残るような圧巻の風景です。

さらにこの後はジブリ作品の『千と千尋の神隠し』に出てくるシーンのようだと、わざわざ台湾や中国からも列車に乗りに来る人がいるというトンネルが続きます。

本当に吸い込まれてどこか違う世界へたどり着いてしまいそうな雰囲気です!季節によって、車窓の草木や山の色がずいぶん違いそうですね。ちなみに夏場は湿度が高いので夕焼け遭遇率も高し♪ あかね色に染まる空と海は、息を呑むような美しさでした。

ちなみに丹後くろまつ号は、全コース嬉しいお土産付き。今回乗車したサンセットコースでは、こんな焼き菓子をいただきました。

終点到着直前には、丹鉄の各種車両を西舞鶴車庫で見ることができますよ。

そうこうしているうちに、丹後くろまつ号の旅は西舞鶴に到着して終了。なんて盛り沢山で大満足な内容だったのでしょう。

親子でも夫婦でも友達でも、大切な人とこんな体験ができたら最高の思い出になりますね。

列車の終着駅で一泊して、京都北部エリアを観光するのもオススメ!

京都府北部エリアは京都・大阪から日帰りできる距離ですが、オーシャンビューの温泉旅館からリゾートホテルまで揃う場所なので泊りがけで訪れるのもオススメ。ノドグロや岩牡蠣など美味しい海の幸もいっぱいです。

私たちはせっかくの機会ということで「丹後くろまつ号」乗車後、京都府北部エリアに泊まって翌日も観光してきました。


天橋立駅近くから観光船に乗って、行ったことのない方の天橋立北側へ。ちょうどその時廻船橋が回っているところに遭遇しました! 大きな船が通るたびにこうやって回る橋です。
写真左が天橋立。風にあたって気分爽快。カモメの餌として売られているえびせんを買えば、船上から餌やりもできます。約12分で天橋立北側に到着しました。

籠神社は天照大神と豊受大神が伊勢に遷る前にお祀りされていたお社。現在は天照大神の孫神「彦火明命」を祀っています。本殿は伊勢神宮と同じ神明造で「元伊勢」と親しまれています。参拝後、リフトまたはケーブルカーで傘松公園に登りましょう。
そして……その傘松公園からの景色がこれ!!

日本三景の天橋立です。やっぱりすごい。太古の昔からよくぞ今までこの形のまま残っているものだなと感心しました。

有名な股のぞきももちろんトライ。

ちゃんとカメラも反転して撮ったのがこの写真です。正位置で見るより空と海が一体化する感じで、確かにきれい! 日本が誇る絶景ですね。傘松公園からの天橋立は昇龍観、反対側の天橋立ビューランドからは飛龍観と言われているようです。

ここにあるレストラン「Ama Terrace(アマテラス) 」はこんな風景を大パノラマで眺めながら地元フードが食べられるお店です。

夕方再度船に乗り天橋立南端へ戻り、智恩寺を抜けます。


天橋立駅までの道のりには食堂やご当地黒豆ソフト、ラムネソフトなどを売っているお店がありウロウロ。


お土産店には名産の魚介加工品やお菓子、ちりめん小物、骨董品などがありました。

天橋立駅は特急一本で京都駅にアクセスできるので、気楽にお土産も買えますね♪

京都府北部丹後エリア「海の京都」は見所が多く、京都市に住んでいる私でもまだ行けてない所もあるほど。

京都府北部丹後エリアには天橋立以外にも、伊根湾の舟屋群、各地遊覧船、天橋立ワイナリー、東舞鶴の赤レンガパーク、自衛隊イージス艦、舞鶴港とれとれセンター。宮津の金引の滝、B級グルメカレー焼きそば、修復されたら最古の現役和洋折衷木造教会、畳のあるカトリック宮津教会。季節の花に、花火大会、旬の食材、干物、海軍カレーとまだまだ楽しめそうです。

遠そうで案外近い京都北部、そして珍しい丹鉄や優雅なくろまつ号の旅、遠方の方も京都観光のついでにいかがですか? また行きたくなる素敵な旅でした。

丹後くろまつ号の予約・詳細はこちら

乗車体験
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この記事のライター

akanesuenaga
写真家。デザイナー。ライター。 フィルム時代より一眼レフカメラ。 光と彩にこだわった2000以上の国内外写真、訪問国30。 書籍出版、雑誌掲載、写真プリント雑貨。


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