【北海道・釧網本線の旅】日本で唯一の刑務所博物館「網走監獄」で北海道開拓の歴史を体感!
※本記事は、2022年12月23日に更新しました。最新の情報とは異なる可能性があります。
「博物館 網走監獄」を初観光!
JR釧網本線に乗って到着したのは北海道の北東沿岸のまち、網走市。
オホーツク海に流れ着く美しい流氷でもおなじみのここ網走ですが、「網走」と聞いてまず最初に思いつくイメージって、みなさんは何でしょうか?
お若い方はご存知ないかもしれませんが(私もリアルタイムではないですよ笑)、高倉健さん主演の映画「網走番外地」シリーズの舞台となったことでも知られる「網走刑務所」を挙げられる方も多いのではないでしょうか?
明治23年に建てられた刑務所の建物は、現在は「博物館 網走監獄」として天都山の中腹に移築保存され、多くの観光客が訪れる人気の観光スポットとなっています。実際に網走刑務所として使用されてきた歴史的建造物25棟のうち、2件8棟が国の重要文化財に指定され、北海道開拓の歴史を後世に伝えているのだそうです。私も網走には何度か訪れているのですが、実はこちらにお邪魔するのは今回が初めて。いざ、ドキドキしながらレッツゴー!
大きな門をくぐって先へ進むといよいよ網走監獄の正面玄関が。受付で入館料を払って中に入ってみます。
こちらが正門。煉瓦造りの立派な門です。あっ、警備員さん?看守さん?らしき方がいらっしゃいますね。
ご苦労様です。おじゃまします。…ん?職員の方ですよね…あれっ?人形にも見える…?
えっ…人間?人形?どっちなんだろう?どうしよう、気になる。でもあんまりジロジロ見たら失礼だし怒られそうだし…。
勇気を出してここまで寄ってやっとわかりました。人形の方でした。ちょっと!クオリティ高すぎませんか!?思わぬところで驚かされてしまいましたが、いざ庁舎のほうへと進みます。
〈重要文化財〉旧網走監獄 庁舎
こちらが正門を入って目の前に現れる庁舎。ブルーとグレーの外壁に設置されたドーマー窓が特徴的な、明治期の典型的な官庁建築スタイル。細部に見られる美しい装飾も見どころのひとつです。
北海道の開拓と深く関わりのあった網走監獄。囚人たちが切り拓いてきた北海道開拓の歴史と、重要文化財の見どころを紹介する展示コーナー。現存する当時の貴重な資料が見学できます。
庁舎の中にはおみやげコーナーもあります。えっと、こちらのお兄さんは……あ、人形でした。網走のおみやげでよく目にするのがこの監獄(刑務所)をモチーフにしたグッズたち。どれもおしゃれでユーモアに富んでいて、無性に欲しくなっちゃうんですよね♪
監獄歴史館
庁舎を出て向かったのはこちら、監獄歴史館。
わっ!網走監獄入獄写真…!?あの囚人っぽい写真が撮れるコーナーのようです!
「次は横顔だ!右を向け!右だ!」看守らしき人物の号令(音声ガイド)に合わせて撮影するらしいです…楽しそう!出来上がった写真は人相が悪いほど“正解”なのだとか(笑)。
こちらがこの歴史館の目玉、「監獄体感シアター」。左右前方3面の大型シアターには、まるでタイムスリップしたかのようにリアルな当時の作業現場の風景が映し出されます。多くの囚人が犠牲となった厳しい作業の様子を、五感を使って体感できます。すごい!
出ましたリアル人形!!ここでは当時の一般房の様子を再現。質素ながらきちんと整頓された部屋の様子から、規律の厳しさがうかがえます。
続いては少し奥へと歩いて二見ヶ岡刑務支所へ。途中には自給自足を目指して造られた農場の様子も再現されています。それにしてもこの博物館、全体の敷地がとっても広いんです。
〈重要文化財〉旧網走刑務所
二見ヶ岡刑務支所庁舎・舎房・教誨堂および食堂・鍵鎖付着所・炊場の5棟が渡り廊下でつながった建物。この5棟全てがそれぞれ重要文化財に指定されています。
食事や作業、入浴など、当時の囚人たちの生活の様子が再現されています。こちらも見応えのある施設でした。
〈重要文化財〉旧網走監獄 舎房及び中央見張所
続いてやってきたのは庁舎の真裏に位置する「舎房及び中央見張所」。中央見張所を中心に5棟の舎房が放射状に広がっていて、1ヶ所から舎房全てが見渡せるようになっています。これはベルギーのルーヴァン監獄をモデルにしたもので、少ない人数で全ての獄舎が監視できる構造。この厳しい監視体制は、ここ網走監獄が“日本一脱獄が難しい刑務所”と言われた理由の一つにもなっているようです。
〈登録有形文化財〉煉瓦造り独居房
舎房を出て少し歩くとあるのがこちらの煉瓦造り独居房。監獄内で禁止されている反則行為を起こした囚人が収監される房で、 囚人たちはここに入ることをとても恐れていたのだとか。
こちらはお隣にある、独立型独居房。たしかに過酷な環境ですね。
〈重要文化財〉旧網走監獄 教誨堂
重要文化財をもう1棟、こちらは囚人たちに精神的・倫理的・宗教的な指導を行うために設置された教誨堂です。囚人たちが「神様が宿るところ」として精魂込めて建てたと言われているそうです。和風建築の外観とは対照的な洋風デザインが美しいですね。
出口付近には物産館もありました。ここでもTシャツやお菓子など、網走監獄らしいおみやげを買うことができます♪
残念ながら営業時間外だったのですが、こちらの「監獄食堂」では現在の網走刑務所で受刑者が食べているメニューを再現した「監獄食」が食べられるそうです。なかなか美味しそう…食べてみたかった。
最後に
今回はバタバタと駆け足で回ってきました、博物館 網走監獄。その広さと見どころの多さに、もっと時間をかけてじっくり見に来てみたいと思いました。
「網走=刑務所」という暗いイメージを払拭するための運動も一時はあったそうです。しかし、線路や道路、港など、現在の網走発展の礎にはかつての囚人たちの尊い犠牲があったということも忘れてはいけません。当時の歴史について触れ、現在の生活を見つめ直すことができた素敵な旅でした。
施設名 | 博物館 網走監獄 |
開館時間 | 9:00~17:00 ※最終受付16:00 |
休館日 | 12月31日・1月1日 |
入場料金 | 大人1,500円・高校生1,000円・小中学生750円(全て税込) |
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