【専門家に聞く!】夜行バスで眠りたいときはどうすればいい?

夜行バスを利用する人の悩みや心配に「眠りたいのに眠れない」ことが挙げられています。
そこで、夜行バスで眠るための工夫を睡眠研究の第一人者・日本大学医学部の内山真先生に伺いました。
 

眠るためには「疲れ」と「リラックス」が必要

まず人はどんなときに眠たくなるのかを内山真先生に伺いました。
 
「なぜ人は眠るのか。ここでは眠るための条件と言い換えましょう。
睡眠の役割のひとつに“脳の休息”が挙げられます。昼間にフルに動かした脳の疲れを取るのです。
そして、心身がリラックスして休息態勢が整っていることも条件です。
これが整ってこそ、“昼間に活動して夜休む”という体内時計が初めて機能します」
 
頭がフル稼働した直後は、疲れていても眠りにくい状態ということ。
リラックスする時間をもつと、徐々に眠たくなっていくのですね。
 
<ポイント>
眠るための医学的、生理的な条件は
・昼間の活動で、脳が疲れていること
・心身がリラックスした休息態勢になっていること
 

自分が「心地よい」と感じられる音楽や香り(アロマ)をつくること

どうやら、この「休息態勢」に入ることが入眠のカギになりそうです。
 
「夜行バスは、不特定多数の方がいる空間ですし、この眠りの準備を整えにくい場所と考えられます。
リラックスするために自分が“心地よい”と思えることをやりましょう。
仮にスマホを見ているときが一番リラックスできる、という人は多少であればスマホを見ても大丈夫です。
自分が心地よいと感じるものを日頃から意識しておくこと、好き嫌いをはっきりさせておくことが大切なんですよ」
 
心地よい音楽、香り(周囲に迷惑にならない程度の)などを持っておくのがおすすめだそう。
また、人は眠たくなるときに手足がポカポカとしてきます。
これは体の芯の熱を逃がすために手足が温かくなる現象です。
 
「バスの車内で足が冷えたりするとなかなか寝つけないということに。
ですから、厚手の靴下や手袋を着用して、手足を温める工夫をするとスムーズな入眠につながります」
 
<ポイント>
スムーズな入眠のための工夫
・自分が心地よいと感じられることをやる
・手足を冷やさないように手袋や厚手の靴下などで調整する

 

睡眠を継続するための3つのポイント

 
またせっかく寝たのにすぐ起きてしまったり、熟睡できなかったりという方も多いと思います。
そこで挙げていただいたのが、睡眠を妨げる外的要因です。
 
・音と光
「ヒトは眠っているときの物音にとっても敏感。
音の大小ではなく、自分が予測していない音、つまりポテトチップスを開ける音や食べる音でも眠りを妨げる音になるのです。耳栓を使ってそれを軽減することは有効だと考えられます。
また、光がついた状態では眠りが浅くなり、目覚めたときに不快な感じが残ります。
夜行バスには消灯時間があるようですから、光はあまり心配ないと思います」
 
・温度と湿度の調整
「温度と湿度の調整は大切です。ブランケットや上着などで自分自身が快適に感じられる温度をキープしましょう。また、睡眠時の発汗対策として、吸湿性の高い衣類を着たり、肌着と体の間にタオルを入れたりするのもいいですね」
 
・スペース
「最後に挙げるのは、寝ているときに姿勢を変えられるようなスペースがあるか、ということです。
ヒトは睡眠中、1時間から1時間半おきに無意識に姿勢を変えます。いわゆる寝返りですね。
これができないと目が覚めないまでも眠りが浅くなってしまいます。夜行バスはここが一番難しいポイントですね。熟睡したいときはできるだけ広いシートを利用したほうがいいかもしれませんね」
 
<ポイント>
睡眠を継続するための3つのポイント
1 ノイズと光を遮る
2 温度と湿度を調整する工夫
3 寝返りをうてるスペースの確保

 

これって本当? 睡眠に関する素朴なギモン

内山先生に睡眠に関して、いくつかのギモンをぶつけてみました。
 
・乗る前にアルコールを摂取すると眠りやすい?
「アルコールが分解されるときはやや眠りが浅くなることがわかっています。
寝つけてもすぐに目が覚めることが想定できますし、依存性が高いので習慣化する恐れもあります。
睡眠薬代わりのアルコールは医師としてはあまりおすすめできません」
 

・眠れなくても目を閉じているだけで体は休まる?
「以前は私もそのように言っていたことがありました。
しかし、眠らなきゃいけないという不安を強めてしまうだけで、かえって眠りの邪魔になります。
眠たくなったら眠ればいい、という考え方でいいと思います。
リラックスして過ごしているうちに体が休息態勢に入ることを期待しましょう。
”眠ろうとして眠れなかったとき”の翌日は、眠気に加えて体や精神の不調も伴います。
“眠くならなかったのだから眠らなかったとき”の翌日は眠いだけです。
これは笑い話ではなく、どちらがいいのかは明らかだと思います。考え方を切り替えることが大切です」
 

カフェイン入り飲料は飲まないほうがいい?
「カフェインは飲んでから30分後に効き始めて、3~5時間ほど覚醒作用が持続します。
また、利尿作用もありますので、睡眠中に起きてしまうことも。夕食後はやめておいたほうが賢明です」

 
前の日に眠らなければ、眠れるのでは?
「これは絶対におすすめしません。まず、前の日に眠らない時点で不要な負荷を体にかけてしまっていますし、さらにバスで眠れなかったときに取り返しがつきません。快適に眠れる環境があるときは眠ったほうがいいでしょう」
 

眠りに適したリクライニングの角度はあるの?
「これが最適!というものはありません。もちろん水平に近いほうがいいと考えられますが、あくまでも自分が快適と感じるかどうかを目安にしてください。足を上げられるなら上げるほうがいいですね。足のむくみは睡眠の妨げになるからです」

 

プロの目でWILLERのシートをチェック!

最後に、WILLERのシートのひとつである「ReBorn(リボーン)」を見ていただきました。
できるだけ乗客にリラックスしてもらうための配慮がなされているこのシート。
内山先生に、プロの厳しい目でチェックしてもらいました。
 


 

電動ゆりかごリクライニングはシェル構造なので、うしろを気にせずに倒せる。
席ごとに仕切りがあり、ストレスも軽減!
 

自分の頭・首の位置に合うように動かせる枕。ネックピローは必要ありません!
 

足をしっかり伸ばせる構造。最大156度のリクライニングとの合わせ技で「ほぼ水平に感じられます」(編集S談)。
 
「あまり褒めても仕方ないですが、きちんと座席が仕切られて遮音性もキープされ、なかなかいいと思います。
他人の気配をできるだけ感じずに済みますし、“休息態勢”に入りやすいですね。
リクライニングがかなり倒れますし、足も上げられる。寝ているときに体勢も変えやすそうです。
眠りやすいという意味では、理に適っていると思いますよ」
 
という高評価! しっかり休息をとりたい人にはこのシートはおすすめです。
 
ではみなさん、車内でも眠りやすい環境づくりと準備をして、WILLERのバスでゆったりと移動を楽しんでください!

 

お話を聞いたのは……
内山真先生
日本大学医学部精神系教授
1980年、東北大学医学部卒業、東京医科歯科大学精神神経科研修医。
91年、現・国立精神・神経医療研究センター室長、92~93年、ドイツ・ヘファタ神経学病院の睡眠障害研究施設に留学、同センター部長を経て、2006年より日本大学医学部精神医学系主任教授。
著書に、『名医が教える不眠症に打ち克つ本』(アーク出版)、『睡眠のはなし』(中公新書)、『睡眠学の権威が解き明かす 眠りの新常識』(KADOKAWA)など多数。日本睡眠学会理事長。

お役立ち

※本記事は、2018年09月10日に公開しました。
最新の情報と異なる場合があります。ご了承ください。

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